高橋幸宏音楽との40年③~高橋幸宏エッセイのコト。
高橋幸宏の書くエッセイには不思議な魅力がある。
力が抜けているというか、肩ひじ張らなくても読めるような雰囲気。そして彼の音楽にも通じるユーモアを感じる。
とはいってもそれだけではなく、時として寂しさを感じる瞬間もあるのだが、まさに彼が作り出す音楽と同じではないかと思うのだ。
そして同じく音楽家である星野源の書くエッセイにも通じるような気がする。
急に高橋幸宏エッセイを読みたくなり、書棚のYMOコーナーを物色してみた。
「犬の生活(JICC出版局)」
「ヒトデの休日(JICC出版局)」
「心に訊く音楽 心に効く音楽(PHP新書)」
の三冊があった。
日常の出来事(と言ってもやはり幸宏さんの日常はお洒落すぎて、自分とは世界が違いすぎるのだが…)、そして音楽がらみのエッセイが多いのは当然として、特に犬に関する話題が多いことに気が付く。
「犬の生活」では、犬写真がエッセイの合間に挟み込まれていて、犬に対する思いが伝わってくる。特に「ルル」。幸宏少年と飼い犬だったルルとの思い出が描かれた一編。ただしその思い出は悲しさにあふれ、ペットとしての犬に対する苦い記憶と一つの誓いいでもあるのだ。
同著収録「1988年・夏」は当時自分を取り巻く状況と微妙にリンクして胸が痛くなる。テラ・インコグニータ(未知の領域)細野晴臣が高橋幸宏に提示したその言葉を今改めてかみしめてみるのだ。
さて、今夜は高橋幸宏音楽を聴きながら、エッセイを読んでみようか。
余談:「犬の生活」を読もうとしたら、高橋幸宏サインが。
この本は、第二期サディスティック・ミカ・バンドのライブで物販購入したもの。
今となっては貴重な一冊に。